テニスは心・技・体である。そして順序もこの通りであるが、最近は技術しか教えないところが多い。
たとえば、構え方はコーチが教える。
しかし、形は教えられても何を考えて構えるか、それを教えられるコーチは少ない。
これはテニスはラリーの連続であるから、こちら側のコートに入ってきたボールはどんなことをしても返さないと失礼になる、そう思ってて構えること、どうしても返せなくて失礼したので、ワンポント差し上げる、そういったことである。
負かそうとか、やっつけようという意味合いでなく、サーブも入らないと失礼になるので懸命に入れる、そういったことでリターンミスやダブルフォールトは本当に入るように努力する。
そうやって試合の終わった後、さわやかに相手と握手する。
終わって立ち去った後コートに一陣の風が吹き、吹き過ぎても余韻の残る、テニスとは本来そういうものである。
■【現 吉田記念テニス研修センター】吉田宗弘氏のことば